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一大ブームを巻き起こした糖質オフダイエット。チャレンジしたことのある人も多いだろう。しかし、「確かにやせた。でも、リバウンドした」という人もまた多いのではないだろうか。実は、糖質オフダイエットの極意は、完全オフではなく“ちょいオフ”なのだ。ハードな糖質制限に挫折した人こそ必読! 地味ながらも効果的な糖質オフ術をご紹介しよう。
■太る原因は脂質ではなく糖質だった
近年、人気のダイエット法といえば「糖質オフダイエット」だ。「低炭水化物ダイエット」「ローカーボ(Low carb)ダイエット」などとも呼ばれ、ここ4~5年、数多くのメディアに取り上げられてきたのでご存じの方も多いだろう。
糖質オフダイエットとは、三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質のうち、炭水化物に含まれる糖質の摂取を控えるものだ。炭水化物は消化吸収されてエネルギーになる糖質と、消化吸収されない食物繊維に分けられる。私たちが食品から摂取している主な糖質は、米、パン、めんなどに含まれるでんぷん、果物に含まれる果糖、砂糖に含まれるショ糖などだ(図1)。
人間の体は糖質の摂取を減らすとエネルギーが足りなくなり、脂肪を分解して補おうとする。そのため、脂肪が減り体重が落ちる。
また、三大栄養素のうち、食後の血糖値を上昇させるのは糖質だけだ。血糖値が上昇すると、それを下げるホルモンであるインスリンが分泌される。インスリンには余った糖を脂肪に変えて脂肪細胞に蓄える働きがあるため、糖質の摂取を控えてインスリンの分泌を抑えると太りにくくなるのだ。
これまで肥満の原因といえば、脂質やカロリーの取りすぎだといわれてきた。油抜きダイエットやカロリー制限ダイエットを試したことがある人も多いだろう。しかし、この理論に基づくと、糖質さえ制限すれば、たんぱく質や脂質はいくらとっても太らないということになる。お腹いっぱい食べられて、難しいカロリー計算の必要がなく、お酒も糖質を含まない蒸留酒ならOK。しかも、減量効果が現れるのが早いというのだから、飛びついた人も多いだろう。
しかし、「思ったほどやせなかった」「やせたけれど長続きしなかった」という声が多いのも事実だ。
■市販の野菜ジュースのワナ
消化器内科が専門で内臓脂肪に詳しい栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅氏は、糖質制限をしたのに思ったほどやせなかったという人に多いのが、「糖質を制限しているつもり」というパターンだと言う。「最近、野菜不足を気にしてジュースを飲んでいる人が多いですが、市販の野菜ジュースは果物が含まれているものが多く、この習慣が減量のじゃまをしている場合があります」(栗原氏)。
食品に含まれる糖質は、その結合数によって単糖類、少糖類、多糖類に分類される(前ページの図1)。結合数が少ないものほど吸収が早いので、果物はとりすぎると太りやすくなる食品の代表だという。とくに咀嚼の必要のないジュース類は吸収が早いので要注意だ。
また、主食を減らした分を野菜で補おうと、サラダを積極的に食べる人が多いが、コンビニやスーパーでポテトサラダを選んでいないだろうか。「いもはでんぷんを多く含みます。せっかく主食を抜いても、いもをたっぷり食べていては、糖質オフにはなりません」(栗原氏)。
このように、糖質オフには意外な落とし穴が多い。例えば、和菓子は洋菓子よりも低脂肪だが、米粉や砂糖が多く使われているため、洋菓子よりも高糖質な場合が多い。また、ヘルシーなイメージの春雨は、イモや豆のデンプンから作られるため、うどんやそばよりも糖質含有量は多い。
私たちは、カロリーの知識はある程度あっても、糖質については意外に知らない。そのため、「糖質オフしているつもり」でも、実はできていないことが多いのだ。
■極端な糖質オフは太りやすい体をつくる
一方、糖質はオフできていたけれど、挫折してしまったという人も少なくない。何を隠そう筆者もその一人だ。筆者の場合、主食を完全に抜いた所、週に1~2kgペースで体重は落ちたが、約1カ月でギブアップしてしまった。その最大の理由は、甘いものが食べたくて常にイライラするようになったことだった。
その他にも、ランチで食べられるものが少ない、食費がかかりすぎる、野菜料理をたくさん作るのが大変、便秘…などの複合的な理由で続けられなくなった。また、「こんなに肉をたくさん食べてもいいのだろうか」という不安があったことも事実だ。
「糖質オフはそもそも糖尿病の食事療法から始まり、ダイエット法として一般に広まったものです。糖尿病患者に対する糖質制限については医師の間でも賛否両論があり、長期的に続けたときの効果や安全性はまだよくわかっていません。糖尿病の人が医師の指導の下で糖質制限を行うのはいいでしょうが、ダイエット目的の人が自己流で極端な糖質制限を行うことはおすすめしません」(栗原氏)。
なぜなら、急激な減量はリバウンドの元だからだという。リバウンドというと「食べたい気持ちを抑えつけていた反動で、食欲が爆発すること」と思いがちだが、本当の意味は違う。
「急激に減量すると、脂肪だけでなく筋肉がやせてしまい基礎代謝がグッと落ちます。また、脳が命の危険を感じ、消費エネルギーを抑えて体重を維持しようとするため、やせにくく太りやすい体質になってしまうのです。減量とリバウンドを繰り返すことを“ウエイトサイクリング”といいますが、極端な糖質制限はこの状態を招きやすいので要注意です。また、糖質を極端に制限すると、本来肝臓に貯蔵されるべき中性脂肪が不足します。すると、体は生きていくための手段として、体中から中性脂肪をかき集めきて肝臓に送り込み、蓄えようとします。極端な場合、低栄養性脂肪肝を引き起こすことがあります」(栗原氏)。
■主食抜きの極端なオフは原則NG
つまり、糖質はとりすぎてもとらなさすぎてもリスクがあるということだ。「1カ月に1kg以上体重が落ちるようなダイエットは、糖質を減らしすぎている可能性があります。リバウンドがなく、一生健康的に続けられるのは、糖質“ちょいオフ”ダイエットです」(栗原氏)。
管理栄養士で料理研究家の牧野直子氏も、糖質の“ちょいオフ”をすすめる。「日本人はエネルギーの約6割を糖質からとっているので、主食を完全に抜くと栄養バランスが崩れてしまいます。ラーメン+チャーハンのような糖質の重ね食いをしている人は、かなりの見直しが必要ですが、糖質は適度にとり運動習慣を取り入れた方が減量には効果的です。最近では、糖質は『オフ』より『コンシャス』だといわれています。糖質についてよく知り、賢くとることをおすすめします」(牧野氏)。
次回からは、具体的な糖質“ちょいオフ”食事術を紹介していこう。
http://www.henshikou.com/blog/blog_20190402_42
夏休みシーズン本番を迎え、海外旅行を予定している人も多いだろう。旅行を楽しむためには健康管理が重要だが、渡航先によっては感染症対策が欠かせない。行き先の情報収集ができ、必要な予防接種も受けられるのが「トラベルクリニック」だ。まだ数は少ないものの、医療機関の間で情報を共有する動きもでてきた。
■ネット情報では不十分
「黄熱病の予防接種が必要でしょうか?」。東京医科大学病院(東京・新宿)の渡航者医療センター。今夏、アフリカ周遊旅行を計画している男子大学生が、医師に相談していた。インターネットで調べたところ、アフリカや南米に行く前に黄熱病の予防接種が必要だと知ったという。
ただそれだけでは十分ではない。「食べ物から感染するA型肝炎なども要注意です」。医師からアドバイスを受けた学生は、「受診してよかった」とワクチンの接種計画を立て始めた。
年間1500万人以上の日本人が海外に行くが、病気や衛生環境への関心は低い。実際には発展途上国で1カ月過ごすと約半数が体調を崩し、30%の人が下痢や風邪の病気になるとのデータもある。
トラベルクリニックは旅行者や海外赴任者に渡航先でリスクがある感染症について注意を促し、必要に応じて予防接種をする。もっとも国際渡航医学会に登録されている日本の施設は全国で約30施設。米国の約600と比べると少ない。
「インドに行く人に腸チフスのワクチンを勧めるべきか」「都市部の外来でも患者が増えている。打った方がいい」
今月20、21の両日、名古屋市内で開かれた日本渡航医学会の集会。海外の最新情報を求める医療関係者が活発な議論を交わした。
どの地域でどんな感染症が流行しているかといった情報は刻々と変わる。また同じワクチンでも国・地域によって普及している製薬会社が異なり、渡航先で2度目の接種を受ける場合などは注意が必要だ。
個別の医療機関ではこうした情報の収集に限界がある。そこで同学会は、国内外の会員のトラベルクリニックがどのようなワクチンを準備しているかや、ワクチンがない感染症への対処法などの情報を共有している。
直接医療に関係する情報にとどまらず、「動物に触れるような、健康上のリスクが高い海外ツアーの情報も集めたい」との声もあがる。久留米大学の渡辺浩教授は「リアルタイムで連絡できるようなネットワークを構築したい」と話す。
http://www.henshikou.com/blog/blog_20190402_43
サッカーワールドカップ(W杯)開催地ブラジルの一部で黄熱病やデング熱の危険、世界保健機関(WHO)が中東呼吸器症候群(MERS)を警戒――。日本国内にいると忘れがちだが、海外には感染症の危険地域が多い。出かける場合は甘く見ないで準備や現地での行動に注意しよう。
今月12日(日本時間13日)にW杯が開幕するブラジルは地域によって黄熱に感染する恐れがある。治療の特効薬がなく、ワクチンの予防接種が推奨されている。黄熱は熱帯アフリカと中南米の風土病で、発熱や悪寒、頭痛、吐き気などの症状がある。致死率が高く、5~10%といわれる。
■事前に情報チェック
W杯会場となる都市の一部は予防接種の推奨地域内にある。日本チームの1次リーグでは、24日の第3戦が開催されるクイアバが含まれる。接種して10日後から有効だが、早めの準備が必要。観戦で渡航する人は地域や時期に応じて必要な対応をすでにしていることだろう。
ブラジルはデング熱の危険地域でもある。5月には一部の都市でW杯期間中のリスクが比較的高いと予測する研究報告も英医学誌に発表された。これには14日の日本の第1戦の都市レシフェ、19日の第2戦のナタルが含まれる。
デング熱は発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、発疹などの症状がある。特効薬も予防ワクチンもない。一部の患者は胸水や腹水、鼻や口、消化管からの出血などを起こすこともあるデング出血熱になる。致死率は1%以下といわれる。
現地ではまず「蚊に刺されないように注意することが大切だ」と川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は話す。黄熱もデング熱も人から人へはうつらず、蚊が媒介する。対策としては長袖、長ズボンなどを着て肌を出さないようにする。虫よけスプレーなども必須だという。
「熱が出ても解熱鎮痛剤のアスピリンを使わない」と岡部所長は注意する。アスピリンは血を固まりにくくする作用もあり、もしデング熱が原因の発熱だった場合、出血を助長する恐れがある。日本で日ごろアスピリンを使っている人は要注意だ。高熱や強い痛み、黄疸(おうだん)など重い症状が出たときは急いで現地の医療機関を受診することも大切という。
W杯に限らず海外に行くときは早めに厚生労働省検疫所のホームページなどで感染症の情報をチェックし、対策を取ることが重要だ。例えばブラジルは地域などによってはA型やB型の肝炎、狂犬病なども予防接種が推奨される。デング熱は東南アジアなども流行地域だ。
最近、WHOが警戒を強めているのはサウジアラビアを中心に流行するMERSだ。同国の首都リヤドで働いていた60代の米国人男性は4月中ごろ、微熱が出て気分が悪くなった。呼吸器の症状はなかった。約10日後にロンドン経由でシカゴに渡航。その3日後、息切れやせき、発熱などが起き、翌日に救急救命室で診察を受けた。
MERSの症状は発熱、せき、肺炎、下痢など。軽症の人も多いと分かってきたが、それでも致死率を患者データで単純計算すると約30%と非常に高い。特効薬や予防ワクチンはない。厚労省は日本で患者が見つかった場合に強制的な入院などが可能な感染症の分類に入れることを決めた。
今年4月に感染者が急増。すでに米国や欧州、アジアでも見つかった。ただ、患者は中東への渡航歴がある人たちで、流行地域が広がったわけではないので、中東に行く場合には気をつけよう。
■持病ある人重症に
「特に持病のある人は要注意」と国立感染症研究所の松山州徳室長は助言する。MERSの症状は発熱、せき、肺炎、下痢などだが、「重症になるのは持病のある人と分かってきた」。糖尿病や高血圧、心臓病の人、腎臓病で透析している人などだ。
「ラクダに近づかないようにする」(松山室長)。主な感染源はヒトコブラクダとほぼ決まってきた。現地ではラクダのミルクを未殺菌で飲むケースがあるので、これも避けた方がよいという。
飛沫感染が主体と考えられるが、人から人への感染は濃厚接触の場合で、継続的に人の間で感染が広がる状況ではない。潜伏期間は2日~約2週間と考えられている。帰国後に発症した場合は感染症外来のある医療機関を受診し、中東を訪れたことを医師に告げる。検疫所や保健所に相談するのもよいだろう。
このほか海外の感染症では下痢などを起こす例が多いので、水と食べ物に注意するのが基本だ。「生水は飲まず、いったん沸かした水か、ペットボトルのミネラルウオーターを飲む。氷にも注意する。生ものは避け、十分加熱した料理を食べる」(岡部所長)。果物を口にしたいときは、皮をむいてないものを自分でむいて食べれば比較的安全という。手指もよく洗おう。
感染症の種類にもよるが、患者との濃厚接触を避け、不用意に動物に近づかないように心掛ける。安全な日本とは違うという意識が大切だ。
http://www.henshikou.com/blog/blog_20190402_44
米国の医療機関などで働きながら、出産・育児を経験した著者が、仕事・出産・子育て・文化の違いなど、さまざまな切り口で、米国社会とそこで働く女性の現状を紹介。読めばリアルな米国が見えてきます。さて、今回取り上げるテーマは授乳。授乳の痛みに耐えかねた著者が出合った解決法とは?
今回は、私が出産した直後の話をさせていただきたい。
赤ちゃんと自分の健康を考え、せめて産休である最初の数カ月間くらいは完全母乳で育てようと計画していた。たった2日間の入院期間中は、痛みはあるものの、うまく授乳ができているとナースに褒められていたが、退院して数日すると、乳頭に亀裂が入り、血が出るようになってしまった。授乳の時の最初の30秒ほどはまさに七転八倒の苦しみだ。それでも、2時間ごとに赤ちゃんは母乳を欲しがる。本にも乳頭の痛みについて書いてあったし、母親や妹、友人たちも、口々に授乳の痛みを語っていたのを思い出し、授乳のたびに涙を流しながらも、「これくらいは普通のはずだ」と私は思い込んでいた。
たまたま家に訪れた親しい友人Aは、自分の息子も授乳中で、「私が代わりに授乳してみようか?!」と面白い提案をしてきた。気の知れた友人で、彼女も医療者であり、エイズウイルス(HIV)も肝炎もないのは分かっているので、さて、赤ちゃんを交換してみると、息子はうれしそうに飲んでいる。「ふむ。痛くないわ。赤ちゃん側の問題じゃないのかしらね。専門家に相談した方がいいかもね」と彼女は言う。
■母乳育児のコンサルタントに相談したら
その夜、「授乳の痛みと、陣痛と、どっちの方が痛いかなあ」と夫に問いかけると、「そんなふうに考えるのは、普通の痛みじゃないってことだよ。誰かにちゃんと相談しよう」と言ってくれた。そこで、ドゥーラ(出産に立ち会い妊婦やその家族をサポートするプロフェッショナル)に、おすすめのラクテーションコンサルタント(母乳育児指導者)を数人紹介してもらった。2人に電話をして、2人ともとても感じが良かったので、安易に安い方に決めた。2時間の家庭訪問1回と、その後のメールでの相談は無制限で175ドルという値段設定は、相場に比べてどうなのかは分からないが、粉ミルク代よりは安いし、母乳育児による健康のベネフィットに値段はつけられないはずと、頼むことにした。
訪問は電話の2日後。ラクテーションコンサルタントは、2人の子供を持つ30代後半の女性で、家族歴などについて質問をし、息子の体重を量り、授乳の様子を観察し、最後に、息子の口の中を触診した。そして、「私は医療者ではないので、診断をする資格はないのですが」と断った上で、「赤ちゃんの口が大きく開けていません。ごく軽度ですが、舌小帯短縮症だと思います」と言った。
舌小帯短縮症といえば、出産した医師の友人の赤ちゃんも診断を受け、 授乳には問題がなかったにもかかわらず、将来言語発達の問題にならないように、念のため切除している。「最近母乳育児がまたはやりだしたから、 舌小帯の切除も増えているらしいわよ。簡単だったわ」と言っていた。とは言っても、新生児の舌小帯を切除してくれる医師は多くはない。「一日でも早い方が赤ちゃんへの負担が少ないので」とラクテーションコンサルタントに言われ、紹介された耳鼻咽喉科に電話をすると、3日後の予約が取れた。
■黒のレザーブーツで現れた女医さんが、麻酔なしで
息子が生後9日目のその日、マンハッタンの、狭いけれどおしゃれな耳鼻咽喉科の診察室に通されてしばらく待つと、黒のレザーブーツのかかとを鳴らして、美しい女医さんが現れた。「ラクテーションコンサルタントに舌小帯短縮症だと言われて」と言うと、息子の口の中を触診し、「そうですね。言語発達などには問題のない、軽度のケースですが、授乳に影響があるのなら切除しましょうか。切除した直後に授乳してもらいますから、準備してくださいね。はい、しっかり抱っこしていてください!」
彼女は手袋をはめたかと思うと、ガーゼで舌をつかんで、上下の舌小帯を、麻酔もなく、あっという間に切ってしまった。息子は「びえええ」と数秒泣いたが、そこでドクターがガーゼで口の中の血を拭き取って「はい、授乳!」と言うので慌てて抱き寄せると、「あ!あんまり痛くない……」。まるで魔法のようだ。
「癒着を防ぐため、7日間だけ、授乳のたびに毎回、清潔な指で切除したところを数秒マッサージしてくださいね」。にっこりほほ笑んで部屋を出て行こうとする医師に「あ、あのー、感染症のリスクなどは?」と聞くと、「生まれたての赤ちゃんの場合、この切除で感染なんてほとんどしないのよ。本当、簡単でしょ!」と、行ってしまった。息子は、とっくに泣きやんでいる。ちなみに、切除は保険でカバーされ、受付で50ドルの「専門医訪問代金」を支払うだけで済んだ。
その後、特に亀裂がひどい右側は、電気母乳ポンプを使用し授乳を数日控え、左側はラクテーションコンサルタントに教わったとおり、縦抱きで授乳すると、傷は癒え、二度と血が出ることはなかった。
ちなみに、舌小帯短縮症でも、授乳に必ず問題が起こるわけでは決してない。電子医学教科書の『UpToDate』によれば、舌小帯短縮症の新生児で授乳に問題が起こるのは、約25%( 舌小帯短縮症がない場合はわずか5%)だという。友人Aは痛みを感じなかったし、母親側と、赤ちゃん側との相性もあるのであろう。もちろん、舌小帯を切除した後でも授乳に苦労をしている女性たちにも出会ったし、あくまで問題の一つでしかないわけだが、私の場合、幸運にもそれで状況は好転していった。
今や、立派な二重あごもでき、パッチリ目のアメリカ人の友人には、「え? 赤ちゃん寝てるの? あ、起きてるの?! ごめん、目が閉じてるように見えた」とひどいことを言われるほど、お相撲さんそっくりの赤ちゃんに育ってしまったが、そこまで母乳で太ってくれたのは、本当にめでたいことである。
http://www.henshikou.com/blog/blog_20190402_45
年末年始に海外旅行を計画している人や2月のソチ五輪(ロシア)、6月開幕のサッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会を現地で観戦する予定の人もいるだろう。海外では思わぬ感染症にかかるリスクがある。日本で予防接種をしておけば防げる例もあるので、大学や民間の病院などが設ける渡航者向けのトラベルクリニックなどを訪れて医師の助言に耳を傾けたい。
「日本人は海外旅行先での感染症などのリスクへの意識が足りない」。こう話すのは日本渡航医学会理事長を務める浜田篤郎・東京医科大学病院渡航者医療センター部長だ。海外に出発する前にかかりつけ医やトラベルクリニックに相談し対策を講ずるのは約2%。欧米の30~50%程度に比べるとかなり低い。
■ワクチン自己負担
予防用のワクチン接種に対する意識も低い。「同じ場所を以前に訪れた知人が大丈夫だったから、自分も接種しなくても平気だろうと思い込みがちだ」とザ・キング・クリニック(東京・渋谷)の近利雄院長は指摘する。
衛生状態が良い日本では忘れがちだが、海外では地域により様々な感染症が流行している。例えばW杯観戦でブラジル渡航を予定する人は「黄熱とA型肝炎、破傷風などのワクチンを接種したほうがよい」(浜田部長)。
黄熱ウイルスを持つ蚊に刺されてうつり、死亡するケースもある黄熱病は南米やアフリカで感染リスクが高い。食べ物で感染するA型肝炎も同様で、滞在期間にかかわらずワクチン接種が勧められる。
破傷風菌は世界中の土壌に分布しており、ケガをする危険はだれにでもある。「五輪観戦でロシアを訪れる人もワクチンを受けておけば安心につながる」(国立国際医療研究センター国際感染症センタートラベルクリニックの竹下望医師)。破傷風は国内でも1968年以降、定期接種の対象だが、効果は10年とされているため、追加で接種しておくとよいだろう。
各種のワクチンの費用は自己負担で、接種回数も種類により異なる。合計で数万円になるケースもある。
どのワクチンを接種するかは医師に相談して決めよう。「滞在先や期間、過ごし方などと、感染・発症により入院などを余儀なくされ、仕事や家事・育児を休むリスクを考慮して決める」(竹下医師)。特に狂犬病など死亡率が高い病気は要注意だ。発展途上国に渡航し犬などと接する可能性の高い人は接種を検討しよう。狂犬病ワクチンはかまれた後でも打てるが、事前接種が大切だ。
ワクチンは打ってから効果が出るまでに一定の日数がかかる。黄熱病などは生ワクチンで接種後しばらくは他のワクチンを打てない。このため接種スケジュールを考慮することが重要で、トラベルクリニックなどで相談するとわかりやすい。「できれば旅行の1~2カ月前までに受診してほしい」と竹下医師は訴える。
■帰国後発熱は受診
すべての感染症にワクチンがあるわけではない。例えば、熱帯や亜熱帯で広く流行するデング熱は蚊が媒介する。長袖・長ズボンを着用して肌の露出を少なくするとともに、虫よけスプレーや蚊帳を使用する。マラリアも同様だが、予防薬があるので必要に応じて服用してもよいという。
海外で問題が起こらず帰国した場合でも注意点がある。「帰国後1~2カ月以内の発熱は、海外でかかった感染症の可能性があるので、できるだけ専門の医療機関を受診したほうがよい」(竹下医師)
高齢者の海外旅行も一般的になったが、実は現地で発症しやすいのは心筋梗塞や肺炎などだ。持病の生活習慣病などを悪化させることもある。かかりつけ医に処方してもらった薬と英語の診断書などを携帯していると、もしもの際に役立つ。海外では入院費などが高額になることもあるので、保険も考えよう。
日本ではトラベルクリニックが十分整備されていない課題もあるが、せっかくの旅行を台無しにしないために「事前に検疫所や医療機関に相談し、正確な情報に基づいて対策をたててほしい」と浜田部長は話す。