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夏休みシーズン本番を迎え、海外旅行を予定している人も多いだろう。旅行を楽しむためには健康管理が重要だが、渡航先によっては感染症対策が欠かせない。行き先の情報収集ができ、必要な予防接種も受けられるのが「トラベルクリニック」だ。まだ数は少ないものの、医療機関の間で情報を共有する動きもでてきた。
■ネット情報では不十分
「黄熱病の予防接種が必要でしょうか?」。東京医科大学病院(東京・新宿)の渡航者医療センター。今夏、アフリカ周遊旅行を計画している男子大学生が、医師に相談していた。インターネットで調べたところ、アフリカや南米に行く前に黄熱病の予防接種が必要だと知ったという。
ただそれだけでは十分ではない。「食べ物から感染するA型肝炎なども要注意です」。医師からアドバイスを受けた学生は、「受診してよかった」とワクチンの接種計画を立て始めた。
年間1500万人以上の日本人が海外に行くが、病気や衛生環境への関心は低い。実際には発展途上国で1カ月過ごすと約半数が体調を崩し、30%の人が下痢や風邪の病気になるとのデータもある。
トラベルクリニックは旅行者や海外赴任者に渡航先でリスクがある感染症について注意を促し、必要に応じて予防接種をする。もっとも国際渡航医学会に登録されている日本の施設は全国で約30施設。米国の約600と比べると少ない。
「インドに行く人に腸チフスのワクチンを勧めるべきか」「都市部の外来でも患者が増えている。打った方がいい」
今月20、21の両日、名古屋市内で開かれた日本渡航医学会の集会。海外の最新情報を求める医療関係者が活発な議論を交わした。
どの地域でどんな感染症が流行しているかといった情報は刻々と変わる。また同じワクチンでも国・地域によって普及している製薬会社が異なり、渡航先で2度目の接種を受ける場合などは注意が必要だ。
個別の医療機関ではこうした情報の収集に限界がある。そこで同学会は、国内外の会員のトラベルクリニックがどのようなワクチンを準備しているかや、ワクチンがない感染症への対処法などの情報を共有している。
直接医療に関係する情報にとどまらず、「動物に触れるような、健康上のリスクが高い海外ツアーの情報も集めたい」との声もあがる。久留米大学の渡辺浩教授は「リアルタイムで連絡できるようなネットワークを構築したい」と話す。
http://www.henshikou.com/blog/blog_20190402_43