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酒は「毒」なのか、「薬」なのか……。がんや生活習慣病、うつ病などのリスクを高めることが広く知られている一方で、昔から「百薬の長」ともいわれている。果たしてどちらなのか。そして、どうすれば健康的に飲めるのか。書籍『酒好き医師が教える最高の飲み方』(日経BP社)を執筆した酒ジャーナリストの葉石かおりさんと、監修を担当した自治医科大学附属さいたま医療センターの浅部伸一さんに、都内のとある場所で話を伺った。その場所については記事末で明かそう。
■医師としては「酒は毒」と言わざるを得ない。だが……
――さまざまな調査の結果から、「酒は毒である」という話を聞きます。一方で、1日当たり日本酒なら1合程度、ビールなら中瓶1本という「適量」を守っていればそれほど心配ない、むしろカラダにいいという意見もあります。いったい、どちらが正しいのでしょうか?
浅部さん 医師の立場からは、「酒は基本的に毒」と言わざるを得ません。全国12地域、14万人を対象とした「多目的コホート研究」でも、「時々飲酒(週1回未満)している人」と比べて、「1日当たり日本酒換算で2合」あるいは「同、3合以上飲む人」のがんの発症リスクは、それぞれ1.4倍、1.6倍になります。こうした大きな集団での観察研究による報告は、科学的には「エビデンスレベル」が高いといえるのです。
葉石さん ただ一方で、適量を飲んでいればカラダにいいという「Jカーブ効果」もありますよね。飲酒量を横軸に、死亡率を縦軸にとると、グラフの形が「J」の字になるという、酒好きの間では有名な話です。
浅部さん 確かに、適量の飲酒が死亡率を下げるという報告もあります。ただ、それらの研究は、どちらかというと細胞実験や少人数での研究結果が目立っていて、その多くが「健康に良い可能性はある」が、まだ「議論のある」段階。つまり、エビデンスレベルが「やや弱い」ことは否めないんです。
葉石さん がーん。じゃあやっぱり「酒は毒」ですか……。それに、「適量」といっても、日本酒で1合、ビールで中瓶1本って、左党にとっては物足りないですよね…。
浅部さん 私も左党ですから、お気持ちは分かります。
葉石さん そうですよね、浅部さんもお酒がお好きですよね。ズバリ聞きますが、医師である浅部さんは、いつも「適量」で満足されているのでしょうか?
浅部さん そ、それはですね……。いつも「適量」とはいかないかもしれません(笑)。
■飲み方を変えたら体重3kg減、体脂肪5%減!
――適量とされている飲酒量は、1日当たりに換算すると物足りないかもしれませんが、1週間のうちに休肝日を設けたりすれば、もっと飲んでもいいのでしょうか。
葉石さん この本にあるように、多くの専門家、医師に取材して分かったのが、1日というより1週間での総量が大事ということでした。つまり1週間のなかでやりくりすればいいということ。
1日当たり日本酒1合というのは、純アルコール量で20gですが、週に換算すれば約150gなんです。休肝日を設ければ、多く飲んでもいい日を作れる。そういうやりくりをしていけば、健康で楽しく飲み続けることができることを学びました。
浅部さん そういったやりくりはとても大切ですね。もちろん、1日で約150g飲んで残り6日は休肝日、といった極端な飲み方はダメですが。
葉石さん 実は、書籍『酒好き医師が教える最高の飲み方』のもとになった連載「左党の一分」を通じて取材した医師はほとんどが自分も酒好きという方で、適量では物足りなさそうな私を見て、「それならこういう飲み方をしてみるといいよ」と教えてくださったんです。
取材を進めるうちに、会食が多い週は自宅での飲みをやめる、休肝日を増やす、朝晩は体重計に乗るというのが習慣化していきました。その結果、体重は3kg減り、体脂肪も5%減。オーバーしていた中性脂肪も基準値に収まりました。やっぱり、医師のアドバイスは間違いないと感じています。
――おお、効果てきめんですね。
葉石さん 朝の目覚めも良く、むくみもなくなり、以前よりもすこぶる体調も肌の調子もいい。運動も取り入れて、とても健康になりました。ダイエットは継続中です。
浅部さん 適量は絶対に守らなくてはいけないと思うと、お酒がおいしくなくなってしまいますよね。適量を「意識」するだけでもだいぶ飲み方が変わってきます。
葉石さん そうなんです。「たまにやらかしてしまってもいい」ぐらいの気持ちでいると、気が楽になって、休肝日も我慢できる。するとカラダの調子が良くなって、ますます健康的に飲もうという気になるんです。
浅部さん 私は、「ゼロリスクで生きる必要はない」と思っているんです。あらゆるリスクを排除して生きようとする「ゼロリスク主義者」には、飲酒は勧められないかもしれません。でも、お酒が好きなら、飲酒の健康リスクをとって、お酒を楽しみたいと思うでしょう。そんな人たちは「どの程度のリスクなら許容できるか」を考えながら飲むべきです。この本は、そのための判断材料になりますね。
■お世話になりたくない「抗酒剤」の恐怖
――酒好きな方は、一方で自分が「アルコール依存症」になったらどうしよう、という恐怖も感じているのではないかと思います。
葉石さん 私も以前は、夕方5時を回ると夕飯の支度をしながらビールをカシュと開けたり、休日は昼からスパークリングワインを飲んだりしていましたが、もうそんなことはしなくなりました。特に、アルコール依存症について取材してからは、怖くなりましたね……(「「私とお酒どっちが大事?」 酒と答える依存症の末路」)。
浅部さん 依存症は精神病の一種なので、専門外来が必要になるんです。病棟の雰囲気も独特だったでしょう。
葉石さん 特に怖かったのが「抗酒剤」の話です。遺伝子によってお酒の強さが決まるのはよく知られていますが、お酒にやたら強い人でもこの抗酒剤を飲むと強制的にお酒に弱くなり、つまり「下戸」になってしまう。だから、アルコール依存症で入院している患者さんがこっそり抜け出してコンビニでお酒を買って飲んでも、抗酒剤のおかげで顔が真っ赤になってすぐバレるんだそうです。抗酒剤のお世話だけにはなりたくないと思いました……(「お酒で赤くなる人、ならない人 がんのリスクも違う」)。
浅部さん 強制的にお酒に弱くなるということは、危険もあるんです。以前のお酒に強い自分のつもりで飲んだら、あっという間に急性アルコール中毒になります。実は、抗酒剤で死者も出ているんです。その人は、抗酒剤を飲んでいるのに「飲め飲め」と勧められてお酒を飲んで、急性アルコール中毒になったそうですが……。
葉石さん ますます怖くなりました……。
――アルコール依存症の人は109万人、その予備群は980万人もいると推計されています。こうした話を聞くと、酒量を減らそうという気にもなるのでは。そのコツは?
葉石さん 私が取材で聞いたのは、まず自分の「飲酒量の見える化」です。記録をとって把握すること。そのうえで、少しずつ減らしていく。いきなり無理な目標設定をしても、リバウンドしてしまいますから。ダイエットと同じですね。
浅部さん アルコール依存症かどうかは、WHOが掲げるAUDIT(飲酒習慣スクリーニングテスト)や、久里浜医療センターのKAST(久里浜式アルコール依存症スクリーニングテスト)で確認することができます。心配な方は一度、チェックしてみるといいでしょう。また、アルコールの強さについては、遺伝子検査やアルコールパッチテストで調べてみることをお勧めします。自分では強い遺伝子型だと思っていても、実は中間タイプだった、ということもよくあるので。
■自分のタイプを知り、味わって楽しく飲もう!
葉石さん 実は、私も調べてみたら、自分は中間タイプだということが分かったんです。まさに、鍛えられてお酒に強くなったタイプだと(「「鍛えれば酒に強くなる」は迷信か 遺伝と酵素の不思議」)。
浅部さん 中間タイプのほうが食道がんのリスクなどが高かったりします。遺伝子型について調べれば、飲み方も変わってくるでしょうね。
――どのようなリスクをとるかは個人の選択次第ですが、どうせならおいしいお酒を楽しく味わいたいものですよね。最後にこの記事を読んでいる方にアドバイスをお願いします。
葉石さん 「獺祭」でおなじみ、山口県の旭酒造の会長には、「酒は飲むものではなく、味わうもの」という名言があるんです。まさにこれですね。ただ飲んで酔っ払うのではなく、おいしい料理といい仲間とともに一生涯飲み続けるためにも、健康を害すことがない自分なりの飲み方を見つけていただきたいです。
浅部さん 私は、「その日の体調と相談しながら酒量を決めてください」ということですね。一律にこれくらいの量を飲むと考えるのではなく、体調がいまいちなら付き合いで1杯だけにするとか。それと、悪酔いや二日酔いを防ぐためには、お酒と一緒にたんぱく質、脂質、食物繊維、ビタミンなどをバランスよく含んだおつまみを食べる。つまり、お酒は料理と一緒に味わうもの、ですよ。
――確かに、今日はお2人とも、料理もお酒もしっかり味わっていますね。
葉石さん このお店、お料理も日本酒も本当においしいでしょう。
浅部さん いや、素晴らしいですよ。おかわりいいですか。
――すでに本日の「適量」は超えてしまったような気もしますが……。
葉石さん 明日は休肝日にします(笑)。
毎日お酒を欠かせない左党でも、お酒の飲み過ぎは問題だということは分かっているだろう。日々大量のお酒を飲み続けると、アルコール依存症(アル中)になることを知らない左党はいない。しかし実際のところ、どのくらいの酒量だと問題になり、どこからアルコール依存症を心配しなければならないのかと問われると、即答できない人が多いのではないだろうか。知られているようでいて、実はよく認知されていない、飲酒量と依存症の関係をきちんと把握しておこう。酒ジャーナリストの葉石かおりが、成増厚生病院・東京アルコール医療総合センター長の垣渕洋一さんに取材した。
◇ ◇ ◇
■昼からワイン、食事の支度をしながらビールはマズイ?
左党にとって飲酒で心配なことといえば、飲み過ぎによる肝機能の悪化、肥満、痛風から、記憶をなくす、忘れ物をするということまで枚挙に暇(いとま)がない。そんな中でも、お酒を人一倍たしなむ酒豪がひそかに心配しているのが、「アルコール依存症(通称アル中)」ではないだろうか。
アルコール依存症というと相当お酒を飲んでいる人でないとならないと思っている人も多いと思う。しかし、左党にとっては実は意外に身近でコワい存在なのだ。恥ずかしながら、筆者も例外ではなく、「もしかしたらアルコール依存症なのかも?」と思うことが多々ある。
休みの日になると「自分にご褒美」とこじつけ、昼からスパークリングワインを飲んでみたり、普段の日でも夕方5時を回ると、夕飯の支度をしながらビールをカシュッ。私にとっては普通だが、酒を飲まない友人に話すと「それってヤバくない……?」とけげんな顔で見られる。そこで初めて、昼飲み、夕飯の支度をしながら酒を飲むのは普通ではないのだと気づく。酒の量は若い頃から比べて減ったものの、夕飯となれば何の疑問もなく、酒を用意する。いい年して、記憶をなくしてしまうくらい深酒してしまうこともあるし、やっぱり私はアルコール依存症の一歩手前なんだろうか? 心配は増すばかりである。
そんな心配をするのも、実際、私の周囲にアルコール依存症で早くに命を落とされた方がいたからかもしれない。その方は食道がんの手術をしてドクターストップがかかっているのに、昼からウイスキーのロックを水のごとく飲んでいた。愛する妻が注意しても酒をやめられず、50歳の声を聞いた途端、亡くなってしまった。これは最も残念なパターンである。
これは極端な例としても、酒量が増えているのに、節制ができないことで悩んでいる人も少なくないのではないだろうか? そんな左党ならではの不安を抱える人のために、成増厚生病院東京アルコール医療総合センター長の垣渕洋一さんに、アルコール依存症の怖さやどこからが依存症なのかなどについて話を伺った。
■依存症は109万人! 予備群は980万人!
まずは、現状を垣渕さんに聞いてみた。実際のところ、アルコール依存症はどのくらいいるのだろうか?
「2013年の厚生労働省研究班の調査によると、アルコール依存症者は109万人いると推計されています。そして、その予備群ともいえる多量飲酒者(ハイリスク群)は980万人いると推計されています(※詳細は図1参照、[注1])」(垣渕さん)
聞いてびっくり。依存症が109万人もいるのも驚きだが、リスクの高い多量飲酒者が1000万人近くいるとは! 垣渕さんから昨今は女性のアルコール依存症も増えていると聞き、もしや筆者もその中に入るのかと、ますます不安になってくる。
■「妻より酒!」恐るべき依存症の実態
109万人いるというアルコール依存症とはどういう状態なのだろうか。垣渕さんはこう説明してくれた。
「単純に飲酒量で『ここからが依存症』などと定義できるわけではありません。明確な境界があるわけではなく、その方の生活環境によっても変わります。飲酒量自体より、お酒を飲むことで、身体疾患、精神疾患、暴力、家庭不和や無断欠勤など様々な問題が起こり、医師、上司、家族など周囲から注意されているけれど、節酒も断酒もできず、問題が継続しているかどうかを慎重に判断して、アルコール依存症と診断します」(垣渕さん)
垣渕さんによると、アルコール依存症の診断基準にはWHO(世界保健機関)が作成した「ICD-10」(国際疾病分類第10版)によるアルコール依存症の診療ガイドラインがあるのだという。
具体的には、「飲酒したいという強い欲望・強迫感がある」「飲酒の開始・終了、あるいは飲酒量に関して行動を統制することが困難」「禁酒、減酒の際に離脱症状がある」「明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず飲酒をしている」といった6項目があり、過去1年間に3項目以上が同時に1カ月以上続いたか、繰り返し出現した場合に依存症と診断される(詳しくは久里浜医療センターのサイトhttp://www.kurihama-med.jp/outpatient/clinic/cl_alcohol_shindan_kijun.htmlを参照)。
実際には、本人に加えて、家族や周りの人に、どんな飲酒問題が起こっているかの話を聞きながら診断していくのだと垣渕さんは話す。中には、診断基準に照らし合わせるまでもなく、極めて重度な問題になっていて、どう考えても依存症だというケースも少なくないそうだ。
「私のところには夫婦で訪ねてくる方が多いのですが、その際、お酒がやめられない夫に対して奥様が『私とお酒とどっちが大事なの?』と聞くと、間髪入れずに『お酒』と答える方もいます。ここまで来るともう即入院レベルのアルコール依存症といっていいでしょう。ご想像できると思いますが、こうなると高い確率で離婚です。実際、アルコール依存症の方は離婚率が高いことでも知られています」(垣渕さん)
妻よりお酒を取る……、素人の私から見てもアルコール依存症だと思う。垣渕さんによると、離婚して一家離散となっても飲酒を続け、会社もクビとなり、収入がなくなって生活保護を受けるようになっても飲み続け、孤独死する人もいるとか。
こ、こわい……。こうなる前に何としてでもリスクが高い人たち(ハイリスク群)より上には行きたくない。いや、それよりももしハイリスク群であれば、ローリスク群に下がる努力をしなくては。
■毎日、日本酒を3合以上飲んでいる人は要注意
次に、アルコール依存症のリスクが高い予備群(ハイリスク群)に該当するのは、どのような人たちなのだろうか。
[注1]厚生労働省研究班の調査では、純アルコール換算の1日平均飲酒量で男性40g以上、女性20g以上を「リスクの高い飲酒者」として、1039万人いるとの推計も出している。
「例えば、恒常的に酒量が多く、肝機能値(γ-GTP)が高くなっており、会社での健康診断で注意されて、一時的に飲酒を控えてγ-GTPが下がるものの、またすぐに飲酒量が増えてしまうという方です。何年にもわたってアルコール性の肝炎が続いていますが、仕事はこなしていて、家庭でも問題ないなど、目立った飲酒問題は起きてない状態です」(垣渕さん)
「依存症の一歩手前の状態ですが、今すぐ断酒しなければならない方ではありません。しかし、飲酒量を減らすための専門的な指導を受ける必要はあります」(垣渕さん)
推計980万人という数字からも分かるように、ハイリスク群の人は決して珍しい存在ではない。垣渕さんによると、会社員の人でも普通にいるのだという。日々摂取しているアルコール摂取量でいうと、純アルコール換算で1日60gが一つの目安になると垣渕さんは話す。
「一般に適量が20g程度(日本酒1合、ビール中瓶1本)ということをご存じの方もいらっしゃるでしょう(日本人の男性の場合)。このレベルはローリスクです。酒量が増えるごとにリスクは上がってきますが、特に60gを超えてくると飲酒問題が起こってくるので、真剣に節酒を考えないといけないレベルになります。専門家の間でも『60gの壁』と呼ばれています。80gを超えると問題は必ず起きてきます」(垣渕さん)
純アルコールに換算して60gは日本酒でいえば3合。左党であれば軽々飲める量である。今は飲酒問題を抱えておらず、体に何の影響はなくても、将来的にアルコール依存症になるリスクが高い、まさに「アルコール依存症予備群」となるのだ。
ちなみに、ビジネスパーソンで普通に会社で仕事をしている人でも、γ-GTPが300を超えているといった人は珍しくないそうだ(※日本人間ドック学会の「検査表の見方」では、γ-GTP 101IU/L以上で異常に分類される)。
「学会発表された、ある大企業の健康管理室での話です。この企業では、職場健診でγ-GTPが300以上の社員を呼び出して指導する計画を立てたそうなのですが、健診の結果、γ-GTPが300以上だと対象人数が多くて指導する時間が確保できないため、指導対象の基準を500以上に変更したそうです。γ-GTPが200以上は高度上昇、500以上は超高度上昇に分類されます。普通に働いている方の中にも少なからぬ数の予備群がいることが分かります」(垣渕さん)
なお、アルコール依存症で入院する患者となると、肝機能値(γ-GTP)の数値が4000などという人も珍しくないそうだ。
ここまで読むと、酒量の多い人は、「果たして自分は大丈夫なのか」と不安に思う人も多いだろう。そんな人が、自分の飲酒状態、つまりアルコール依存症や予備群の心配があるかどうかを簡単に確認できるテストがある。そのテストや、これ以上リスクを高めないためのケアの方法を次回「あなたの飲酒問題リスクは? 10点以上は依存症予備群」で紹介する。
http://www.henshikou.com/blog/blog_20190401_21
体をつくる細胞の染色体の端にあり「命の回数券」ともいわれるテロメア。テロメアの状態が、がんや動脈硬化といった様々な病気に関係しており、生活習慣を見直すことでテロメアの状態を良好に保てることも分かってきた。健康で長生きするためテロメアとどうつきあえばいいのか。
生物の遺伝情報が収納されている染色体DNAの両端はテロメアと呼ばれ、染色体を保護する役割を担っている。細胞が分裂するたびにテロメアDNAは少しずつ短くなる。これに伴って細胞分裂の回数が減り、やがて分裂しなくなる。これが細胞の老化だ。
一方、生物はテロメアを再生する働きも備えている。テロメラーゼという酵素が作用することで、テロメアDNAが作り出され伸長する。皮膚や血管、血液など細胞の種類によって条件は異なるが、細胞分裂による「引き算」とテロメラーゼの働きによる「足し算」でテロメアの長さが決まる。
細胞分裂の回数には限りがあるため、テロメアは命の回数券とも呼ばれる。テロメアの短縮と、がんや動脈硬化、心筋梗塞、認知症といった病気との関係が分かってきた。細胞に酸化ストレスや有害物質が作用するとテロメアが短くなり、こうした病気にかかりやすくなるという。
例えば皮膚がんや肺がんの場合。日光を浴び過ぎたり、たばこを吸い過ぎたりすると、紫外線や有害物質の作用で細胞が傷つく。細胞は新しくなるため活発に分裂するようになり、これに伴ってテロメアが短くなる。
テロメラーゼの働きが追いつかないと、細胞の中では染色体がテロメアを失って不安定になり、他の染色体とつながってしまったりする。こうしてがんのリスクが高まる。アルコール性肝炎から肝硬変、肝臓がんへと進行するときもこうしたことが起こる。
テロメアを研究している石川冬木京都大学大学院教授は「いくつかのがんはこうしたメカニズムで説明できる」という。「日焼けや喫煙、過度の飲酒などで“回数券”を無駄遣いしないのがいい」とアドバイスする。
テロメアが短くなり、分裂しなくなった老化細胞からは、炎症の原因となるシグナルが出ることも分かっている。炎症は糖尿病や心臓、脳など全身の様々な病気に関係しているといわれている。
テロメア研究の業績で2009年にノーベル生理学・医学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン博士らが、生活習慣とテロメアの関係についての研究成果をまとめた本を今年出版。この分野への関心が高まっている。
ブラックバーン博士らが紹介しているのは「心理ストレスにさらされていないか」「睡眠を十分にとっているか」「適度な運動をしているか」「健全な食事をとっているか」といったこととテロメアの状態の関係だ。
睡眠に関しては、毎日5~6時間しか眠っていない高齢者のテロメアは短い傾向があるが、7時間以上睡眠をとっている高齢者の場合は、中年の人と同じかそれ以上の長さだった。運動については、過去10年間、運動習慣のある人は、そうでない人と比べてテロメアが長かった。
特に強調しているのが、ストレスとの関係。ストレスを除くのにマインドフルネスと呼ばれる瞑想(めいそう)が注目されているが、この瞑想をしたグループは、テロメアが伸びたという研究成果を紹介している。
適度な運動や適切な食生活、良質な睡眠、ストレスをためないことなどはいずれも健康・長寿の秘訣とされてきた。テロメアに注目することで生活習慣と健康状態や病気との関係をより明確につかめそうだ。
◇ ◇ ◇
■病気リスクの診断に活用
テロメアの状態を調べることで、その人の健康状態や病気のリスクを診断しようという試みが進んでいる。広島大学発ベンチャーのミルテル(広島市)は、約3年前から病気のリスクを知ることができるテロメア検査を実施している。
ミルテルの検査の特徴は、テロメア自体の長さに加え、テロメアの先に「しっぽ」のように伸びているDNAの一本鎖「Gテール」の長さが測れること。Gテールが長いほど、テロメアの強度が高くなる。またGテールの短縮と、動脈硬化や脳梗塞、認知症などのリスクの相関が高いことが分かっている。
検査技術を開発した田原栄俊・広島大教授は「喫煙や不健全な食生活による酸化ストレスなどがGテールを短くする。遺伝子年齢や疾患リスクを知ることができる」という。リスクの高い人には医療機関が生活改善の指導をすることで、テロメアの状態の改善を促す。
検査は医療機関で受けられ、費用は3万~4万円。広島大では小型の検査装置を開発中で、来年以降に導入されれば「検査費用はかなり下げられる」(田原教授)という。
http://www.henshikou.com/blog/blog_20190401_22
ウコンといえば、左党の大切なパートナー。私もそうだが、飲み会前にウコンのサプリを飲んでいる人は多いだろう。だが、このウコン、肝機能に問題がある人は控えたほうがいいという話がある。脂肪肝の人などは悪影響が出る可能性があるという。これは本当だろうか。酒ジャーナリストの葉石かおりが、その真偽を専門家に直撃した。
◇ ◇ ◇
飲み会の前はウコン入りのサプリやドリンク剤を飲む――。
多くの左党にとっては「常識」、いわば「飲み会前の儀式」のひとつと言ってもいいだろう。私自身もウコン入りのドリンク剤を飲んでから酒を飲むのと、飲まずに酒を飲んだときでは酔いのまわり方が違うと感じるし、事前に飲んだ後の翌朝は、いつもよりスッキリしているように思う。「ああ、やっぱりウコンのおかげだな」と改めてウコンのすごさに感心したりする。
ところが、今年初めに、そんな悪酔いレスキューの助っ人・ウコンに効果がないという情報がネットをかけめぐった。単に噂レベルではなく、ネタ元が「Journal of Medicinal Chemistry」というアメリカの権威ある雑誌で発表された論文なだけに、ちょっとした騒動にもなったのだろう。こちらの論文はウコンに含まれるクルクミンという成分の効果について検証したもので、論文の中身は薬効を否定しているわけではない[注1]。ネットのニュースはその後、記事に補足がなされ、騒動は沈静化した。
[注1]The Essential Medicinal Chemistry of Curcumin. J.Med.Chem. 2017;60:1620-1637.
さて、話題になったこのウコン、実は、肝機能に問題がある人は控えたほうがいいという話を聞いた。脂肪肝の人などは悪影響が出る可能性があるという。日本人の成人の3人に1人は脂肪肝といわれているのだから、決して他人事ではない。
ウコンといえば、冒頭で触れたように、多くの左党が頼りにする存在なのに控えたほうがいいとは……。ここは真偽を確かめなければなるまい。自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科准教授で、肝臓障害に詳しい浅部伸一さんにウコンの肝臓への影響について話をうかがった。
■ウコンによる肝障害が数多く報告されている
肝機能に異常がある人が「ウコン」を摂取することには問題があるとはどういうことか、浅部さんに直撃してみた。
浅部さんは、「肝機能に異常がある人にウコンを勧めない理由は大きく2つあります。1つは、ウコンによる肝障害が報告されているからです。数ある健康食品や民間薬の中でもウコンについての報告が多いのです」と説明してくれた。
「日本肝臓学会が10年ほど前に、民間薬や健康食品など“病院でもらった薬ではない”ものによる薬物性肝障害の調査を実施しました。薬物性肝障害とは、文字通りクスリなどを摂取したことにより肝臓がダメージを受けることです。この調査の結果では、多種多様な原因があったのですが、原因の中で一番多かったのがウコンだったのです。ウコンによる薬物性肝障害は全体の24.8%と断トツで高い結果となりました[注2]。これを受けて、肝臓専門医の間で、ウコンに気をつけたほうがいいという認識が定着したのです」(浅部さん)
「この調査では、死亡例も3件報告されています。そのうちの1つが、ウコンによる急性肝炎から多臓器不全になり死亡した例です」(浅部さん)
なお、この日本肝臓学会の調査によると、薬物性肝障害を発症した人の中で、民間薬や健康食品を定期的に使用していた人は91%で、そのほとんどが毎日使用していたという。また、発症するまでの使用期間は平均で約160日となったが、30日以内というケースも23.6%あった。
■原因不明の肝障害、その原因はウコンかも
また、2013年に発表された「健康食品・サプリメントによる健康被害の現状と患者背景の特徴」(Jpn. J. Drug Inform. 2013;14(4):134-143.)でも、健康食品などに含まれる個々の成分での健康被害報告の中で、ウコンの報告数は3位にランクインしている。
「肝機能を高める」と信じて飲んだはずのウコンが薬物性肝障害の原因の一つに!? こ、これは左党としては聞き捨てならない。
実際、浅部さんは、このデータを実証するような患者に接したことがあるという。
「私が勤務する自治医科大学附属さいたま医療センターは、他の病院で原因を特定できなかった患者さんが訪れることが多くあります。肝機能障害を起こし、γ-GTPなどの肝機能値に大きな異常がある患者は、薬物性肝障害である可能性を常に頭に入れて診察します。実際、原因不明の肝障害の方を診察する際、私は患者に必ず3つのことを聞きます。それは『どんな処方薬を飲んでいるか』『サプリ、漢方薬を飲んでいるか』、そして『ウコンを飲んでいるか』です」(浅部さん)
先日も、外来で来た50代の男性で、ウコンが原因で肝障害を起こし、摂取を中断したところ数値が改善したケースがあったそうだ。
「この男性は入院することになるほど、肝機能の数値が悪化していました。この方は、ウコンの成分が入ったサプリを飲むという方法ではなく、ウコンの根の部分そのものを通販で購入して、自分で煮出して抽出して飲むという“ハード”な摂取方法をされていました。ヒアリングでウコンを大量に摂取していたことがわかったため、摂取を中断していただきました。その後、数値が改善したため退院されました」(浅部さん)
では、誰もがこうしたウコンによる薬物性肝障害を危惧しなくてはいけないのだろうか?
「薬物性肝障害は、肝臓に何らかの問題がある人に起こりやすいことがわかっています。ですから、注意が必要なのは、脂肪肝など肝機能に問題がある人、アルコールを常飲する習慣がある人などです。私はそうした方にはウコンは勧めていません」(浅部さん)
■ウコンに含まれる「鉄」が肝臓に悪い?
また、脂肪肝などの人にウコンを勧めないもう一つの理由が、ウコンに含まれる「鉄」にあると浅部さんは話す。
「ウコンのサプリには比較的多量の鉄を含むものがあります。しかし、鉄の含有量が記載されていないものがあるのです。鉄は一部の肝臓の悪い方に悪影響を及ぼすことがわかっています。その代表が、C型肝炎や脂肪肝です。貧血予防に効果があることで知られる鉄ですが、摂取過多で肝臓に蓄積すると、フリーラジカル(活性酸素)を発生させ、肝細胞を傷つけ、炎症を悪化させます。線維化[注3]が進んで肝臓が硬くなるなどして、肝硬変や肝がんになる可能性も高まります。私のこれまでの治療経験では、脂肪肝の人の血液を調べると、ほとんどの人が鉄が過剰でした。このため、脂肪肝の人はウコンは制限したほうがいい。同じく鉄を含むシジミなども同様です」(浅部さん)
[注3]慢性的な炎症が起こることで肝細胞が死滅・減少し、線維組織が増殖していくこと。肝臓全体が線維化すると肝硬変などになる。
「鉄分は多く摂取したほうがいいと思っている方が多いと思いますが、それは女性の話です。月経のある女性は鉄分を補給する必要がありますが、男性は鉄不足なることはまずありません。中でも日常的にアルコールを常飲する習慣のある方や脂肪肝の方は鉄過剰の傾向があるので注意が必要です」(浅部さん)
「肝機能を高めるから」と信じ、積極的にウコンやシジミなどを摂取している人は少なくないはずだ。「肝臓にいい」「鉄分が豊富だから」とレバーを食べるようにしている人もいるだろう。そんな人にとって、この事実はかなりショックに違いない。もちろんご多分に漏れず、筆者も大打撃を受けている……。
■過度な心配は不要だが、肝障害がある人は避けたほうがいい
となると、結局のところウコンは飲まないほうがいいってことなのか、そこが知りたいところだ。
「肝機能障害がない健康な人が、コンビニで買えるドリンク剤をたまに飲む程度であれば、過度に心配する必要はありません。実際、飲酒30分前にウコンに含まれるクルクミンという成分を飲んだ人は、アセトアルデヒドの血中濃度の上昇が抑えられたという報告もあります[注4]。葉石さんのように『効く』という実感を持つ人が多くいるのは確かです」(浅部さん)
[注4]Biol Pharm Bull. 2011;34(5):660-5.
「ウコンによる薬物性肝障害の報告例が多いのは、ウコンがことさら危ないからではなく、ウコンを飲んでいる人が多いからだと推測されます。ただし、先に挙げたように、ウコンを煮出したり、ウコンを精製した粉を飲むなど、濃度が高いものを長期間、大量に飲むのは注意が必要です。健康食品などは、1回飲んだだけで問題が起こるというケースは少なく、継続的に飲み続けて肝臓を壊すケースがほとんどです。そして、肝臓に問題のある人、例えば脂肪肝の人などは避けてください」
「ウコンに限ったことではなく、どの健康食品についても言えることですが、副作用が全くないものはまずありません。健康に不安のある方こそ、医師に相談してから飲み、飲み続ける場合は定期的な検査をされることをお勧めします」(浅部さん)
◇ ◇ ◇
たとえ健康食品であっても、自己判断で摂取するのは危険ということか。今はネットで一部ながら医薬品までもが購入でき、サプリメントはコンビニでも買える時代。それ故に自己判断で「効く」と思ったものに安易に手を出してしまいがちだが、そこには常に危険が伴うことを忘れてはならない。左党にとっては身近な存在のウコン。今一度、いい付き合い方を考えてみよう。
http://www.henshikou.com/blog/blog_20190401_23
「ぬれ手で粟(あわ)」の不動産開発に怖さを感じ、立ち食いそばを始めた丹道夫氏。友人と別れてダイタンフードを設立し、一大立ち食いそばチェーンへと発展していく礎を築いたのもこの頃だ。じつは、人生最大のピンチもこの直後に訪れたという。病に倒れ、病床で資金繰りをしながら考えたことが「名代 富士そば」の原点。店舗視察の際、従業員には必ず「厳選したお饅頭(まんじゅう)を持って行く」という。
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そうね、いつが一番ピンチだったかと言えば、「そば清」から「富士そば」へと切り替えたあたりかもしれない。じつは、独立する時に6000万円の借金も一緒に引き受けたんです。それを返すために建売住宅に手を出したものだから、多額の借り入れで資金ショートを起こしそうになった。
妻のおなかは大きいし、年老いた母の面倒もみなくちゃいけないし、で本当に大変でした。独立したてで、焦っていたこともあったんでしょうね。袂(たもと)を分かった友人に負けないように、僕も頑張らなくちゃと思ったんだね。それで無理したものだから、病気になっちゃったんです。B型肝炎と診断され、トイレに行く歩数さえチェックしないといけないくらい、絶対安静を言い渡されました。
資金繰りに苦しんでいましたから、入院していても眠れない。ベッドの上で電卓をたたくくらい、悩んでいた。それなのに、同じ病気で入院しているサラリーマンは横で高いびきをかいて寝ているわけ。
妻に言わせると、彼女はそのころ、「この人に付いていって本当に大丈夫かしら」と思っていたそうです。そりゃそうだよね。私はその時に、絶対に無理はしちゃいかん、と肝に銘じました。二度とこんな苦労はしたくない、と。
そのころ、立ち食いそば以外にもいくつか飲食店を経営していましたが、入院したのをきっかけに、それらはすべて手放しました。これからは立ち食いそば一本に絞ろう、と思ったから。だって、その方が堅実だもの。
みんなに反対されましたよ。銀行さんとか、いろんな人がいろんな話を持ってきました。「土地を買わないか」「ゴルフ会員権を買わないか」と。だけど僕はもう、これで十分だと思った。ここからは脇目も振らず、立ち食いそばだけでいこうと決めた。
■出店目標は決めない。ペースはゆっくりでいい
その時に考えたのね。根こそぎもうけようとするから商売がうまくいかないんだ、と。10円もうかるんだったら、僕は7円もらえばいい。その代わり、余裕を持たなくちゃいけない。残り3円は誰か相手にもうけさせる。そうしたら、相手も自分も次のステップを踏めるでしょ。僕はつまり、そういう考え方なの。
飲食チェーンの多くは「今年の出店目標は何店」と決めて、それをいっぺんに達成しようとするでしょう。でも、僕はしない。出店のペースはゆっくりでいい。
というのも、立ち食いそばは予定が立たないんです。いい物件はめったに出ないから。辺鄙(へんぴ)なところにお店を出しても、誰も振り向いてくれません。ステーキだったら来るかもしれないよ。だけど、立ち食いそばですから。「あったらいいな」という場所になかったら、誰も食べに来ませんよ。
基本は駅から近くて、人通りの多いところ。出店に関しては、今でも必ず僕が最終判断しています。案件が上がってきたら、必ず見に行く。ダメなところはすぐにわかります。何秒とかからずに「ここはダメ」と判断するから、みんな「瞬殺だ」って笑います。
どうしてわかるのかと言えば、これはもう経験です。小さい店舗でも、店を1つ出したら5000万円は吹き飛ぶ。5000万円もうけようと思ったら、大変ですよ。下手をすると、店が潰れちゃう。だからいいところにしか出せないし、ここの判断は非常にむつかしいの。
これまで赤字で撤退した店はひとつもありません。飲食店で前年比を上回る売り上げをあげるってことは、店も清潔に、サービスも良くして、味も良くして、という努力のたまものなんです。戦争がない限り、景気がいいだの、悪いだの言いながらも、文化は進んでいく。文化が進めば、人はよりおいしいものを求めます。人間の舌も成長するからね。だから、安くておいしいものを出し続ければ、この商売は続くと思う。
■雨が降ったら傘になるのが経営だ
だまされたことですか? そりゃあ、たくさんあります。過去には、売上金を持ち逃げされたことも何度もありました。だから、うちは券売機を置いているの。
お金には魔力があります。人間は弱いから、目の前にお金があったら欲しくなる。そういう欲望を起こさせないようにしなくちゃいけない。それが経営でしょ?
人間である限り欲はつきものですから、僕は絶対にそれを見逃さない。安月給で働かそうとするから、みんな裏で悪いことをするんです。いくら僕がすご腕経営者だって、それだけで人が喜んで働いてくれるなんてことはないですよ。
いくら売ってもお給料が同じだったら、みんな売り上げに無関心になります。うちはグループ企業をすべて分社化して、競わせているんです。売り上げが落ちてもお給料が下がることはないですけれど、伸びたらその分、事務員にもプラスアルファのお金を出す。アルバイトにもボーナスを支給しますし、有給休暇も取らせる。それはもう、ずっと前からそうしています。
みんなやる気が出るように。雨が降ったら傘になるというのが、経営だと思います。だから、僕はいまだに店でそばを作ったことはない。
■従業員には毎年、厳選したお饅頭を持っていく
今でも年に何度か、味見がてら全店舗を回っています。いっぺんには回れないから、1、2カ月かけて回るんですけれども。
その時に、従業員さんへお饅頭をお土産に持って行くの。京都に本社がある「仙太郎」さんというところのお饅頭に決めているんです。毎回、種類は変えるけど、お店は一緒です。いろいろ研究をしましたけれど、そこが一番おいしいし、工夫しているから。
その辺で適当に買ったものを持っては行きません。僕は自分が一番おいしいと思うものを、お土産に持って行くようにしている。おいしいお饅頭を持って行くと、みなさん喜びます。
以前はお饅頭を自分で持って歩いていたんです。そしたらある日、腰が痛くなっちゃった。それからは係長に持ってもらっています。店舗数が多くなったからちょっと大変で、年に3回だったのを2回に減らそうかなとは思っているんですけれども、もう何十年も続けている習慣です。
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