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C型肝炎治療、新薬で期間半減 ウイルスを撃退

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C型肝炎治療、新薬で期間半減 ウイルスを撃退

C型肝炎の新しい治療薬が9月、厚生労働省に承認された。効き目が良くて副作用が少ないのが特徴という。肝臓がんの8割は、ウイルスがもたらす「C型肝炎」がもとで発症する。従来の治療ではウイルスを除く薬を長期にわたって使い、頭痛や体のだるさといった副作用が大きな悩みだった。仕事や家事に支障が出る人がいた。患者の負担を少しでも軽くできると、専門医は期待している。



この新薬は米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)グループのヤンセンファーマ(東京・千代田)の「ソブリアード」(一般名シメプレビルナトリウム)。C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を防ぐ。


肝臓が専門の独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院の林紀夫病院長は「現行の薬より効果も高く副作用も少ない。治療に使いやすい」と話す。来月にも変わるC型肝炎の治療ガイドラインにも、標準治療として掲載される見込みという。


C型肝炎ウイルスは、血液を通じて感染する。医療機関などでの感染対策が進んだ今は、カミソリや歯ブラシの共用などが感染原因になると指摘されている。約半数は感染源が分からない。HCVに感染すると急性肝炎を発症するが、自覚症状がほとんどない。その後3割の人は自然に肝臓からウイルスがいなくなって治る。残る7割は、知らない間に慢性肝炎になり、放置すると肝硬変に陥る。



肝硬変が恐ろしいのは、治療しなければ4割が肝臓がんになってしまうところだ。逆に肝臓がん患者を調べると、その8割がHCVに感染している。慢性的な炎症が起こると細胞分裂が盛んになり、がん細胞が生まれやすくなる。


■再発・高齢者も効果


新しい治療では、3つの薬を併用する。まず「ペグ・インターフェロン」という免疫細胞を元気にする薬を週1回、注射する。さらに「リバビリン」というウイルスの働きを抑える薬を毎日2回服用。それに加えて新開発のシメプレビルナトリウムを毎日1回飲む。新薬を使った場合の治療期間は半年だ。従来は1年間だったが、半分に短縮しても効果は高いという。


3つの薬のうち、インターフェロンは副作用が深刻だ。風邪のように頭痛や発熱、体のだるさの症状が表れたり、肺炎を起こしたりする。つらい副作用が長く続き、仕事を辞めざるを得ない人もいたという。新薬によって治療期間が半分になれば、これから治療を受ける人にとってこれまでより楽になる。


新薬を含めた3つの薬の併用は、効果を試した臨床試験(治験)の結果によると、9割の患者でウイルスを体から追い出せた。従来の治療が効きにくかった高齢者や、治療を終えて肝炎を再発した人にも効いた。新薬による新たな副作用もなかったという。


新薬は治療期間を縮めるため、それだけインターフェロンを使う期間を短くできる。また副作用を避けたいとの思いから、来年にはインターフェロンを使わない治療法も実用化される見込みだ。


ただ、インターフェロンを控えたときに懸念されるのは、薬が効きにくくなる耐性ウイルスの出現だ。武蔵野赤十字病院の泉並木副院長は「インターフェロンと併用しないと薬剤耐性に変わりやすい」と指摘する。これまでは、体の免疫力を高めるインターフェロンの併用によって、薬剤耐性ウイルスの出現を予防していた面もあるからだ。また、インターフェロンを使わない治療法は、ウイルスの排除が全体の8割程度にとどまるとの見通しもある。


■男性が女性の2倍


肝臓がんは日本人に多い。がんは死因の3分の1を占め、肝臓がんによる死者は肺がん、胃がん、大腸がんに次いで4番目に多く、年間3万人が亡くなっている。男性の方が多く、女性の2倍だ。「男性の高い飲酒率や喫煙率が関わっていると考えられている」(林院長)。


肝臓がんはHCVを除去すれば、発症のリスクが大幅に下がるという。患者を減らす手立てがあるならと、厚生労働省は医療費を助成してウイルスの除去を推進している。患者負担の上限は月額1万円と2万円の場合がある。


血液検査などで肝炎ウイルスの感染が疑われた場合は、肝臓の専門医を受診したい。遺伝子検査や最新のデータで、最適な治療方針を決めてくれる。治療場所は専門病院とは限らない。じっくりと治療に臨むため、身近なかかりつけ医で投薬を受けるよう勧められるかもしれない。専門医は日本肝臓学会のホームページで確認できる。



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