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肺炎球菌・ヒブ用ワクチン、乳幼児向け接種再開 専門家「同時も問題なし」

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肺炎球菌・ヒブ用ワクチン、乳幼児向け接種再開 専門家「同時も問題なし」

同時接種後の死亡例が続き一時的に見合わせていた、髄膜炎などを防ぐ2種類の乳幼児向けワクチン接種が4月1日から再開した。専門家が「直接的な因果関係は認められない」と判断した結果だが、「本当に安全なのか」と不安を抱える母親もいる。国などの補助で接種できるようになったばかりだけに、専門家は「ワクチンを正しく理解して」と呼びかけている。


接種が再開したのはヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)と、肺炎球菌の感染を予防する2種類の乳幼児向けワクチンだ。乳幼児の細菌性髄膜炎の6割はヒブ、3割は肺炎球菌が原因で、死亡率は約5%、3割は聴覚障害など重い後遺症を残すこともある。


費用補助で増える


東京都武蔵野市の30代の母親は生後8カ月の娘の「2回目以降の接種をどうしようか」と悩んでいる。1月中旬に同市が公費補助の対象としたため2月下旬にヒブと肺炎球菌のワクチンをかかりつけ医で同時接種した。副作用もなく、1カ月後に2回目を受けるつもりでいたが、その前に接種が見合わせになってしまった。4月から再開したものの、「大丈夫だろうか」と不安を抱えているという。


厚生労働省が3月4日に一時的に接種見合わせを決めたのは、両ワクチンを接種した乳幼児の死亡例が相次ぎ報告されたからだ。


例えば2月28日に両ワクチンを接種した兵庫県宝塚市の2歳男児は翌日にうつぶせ状態で死亡。3月1日には肺炎球菌用と他の混合ワクチンを同時接種した同県西宮市の1歳女児も接種後に高熱を出し、翌日昼寝中に亡くなるなど、死亡との関連を疑われた乳幼児は7人に上った。


ヒブ用は2008年12月から、肺炎球菌用も昨年2月から国内で販売しており、問題となる副作用は確認されていなかった。そのため疑われたのが両ワクチンや他のワクチンとの「同時接種」の影響だった。


厚労省が予防接種を積極的に実施している医療機関に緊急調査したところ、回答のあった866医療機関でヒブ用は88.0%、肺炎球菌用は75.4%が他のワクチンと同時接種だったという。このうち最も多いのは両ワクチンの同時接種で、半数強を占めた。



なぜ同時接種が増えたのか。契機は昨年11月に国が「ワクチンの有効性は高い」として費用の半分補助を決めたこと。大半の自治体が追随し、費用負担が軽くなり、接種希望者が急増した。乳幼児の接種ワクチンが増えるなか、通院回数を減らすとの狙いもあった。


さらに両ワクチンは初回は生後2~7カ月の間に接種を始め、約1カ月の間隔で2~3回接種するなど、時期や間隔がほぼ同じで同時接種の割合が多くなったとみられる。製薬会社によると、両ワクチンの出荷量は月20万本程度だったが、国が補助を決めてからは倍のペースだ。


不安あれば単独で


「同時接種で副作用のリスクは高まるのか」。厚労省が3月8日に緊急に開催した専門家検討会では「結論を出すにはデータが足りない」とした。このため同省は死亡例の詳細なデータや海外で同時接種した際のデータなどを収集し、約2週間後の検討会では同時接種で亡くなった7例は「ワクチン接種と直接的な明確な因果関係は認められない」と結論づけた。


例えば宝塚市の2歳男児は解剖の結果から、誤って肺に異物をのみ込んだ結果の呼吸不全と推定。西宮市の1歳女児もウイルスを検出、急性感染症による死亡の可能性があるとした。


死亡報告も海外ではヒブ用は10万接種で0.02~1人程度、肺炎球菌用で10万接種で0.1~1人程度だった。国内では10万接種で0.1~0.2人程度だったため、検討会は「諸外国と大きな違いは見られず、安全性に問題があるとは考えにくい」とした。


ただ、死亡例には重い心臓病など基礎疾患があった乳幼児もいたため、検討会は「重い基礎疾患がある乳幼児は感染症予防にワクチン接種が望まれるが、単独接種も考慮しつつ、医師の判断で慎重に接種する」ことを求めた。


月40万本程度の出荷がある中、「10万接種で0.1~0.2人程度」という確率は低くないようにも見える。だが、検討会の委員の一人は「多くの乳幼児が接種すれば、接種後に偶然亡くなるケースもある。だが因果関係が『全くない』と断定する根拠もなく、結論は『関係は不明』となってしまう」と安全性の説明の難しさを打ち明ける。


同省は今後、6カ月で死亡報告数が10万接種当たり0.5人を超えた場合などに対応を検討する方針。髄膜炎はヒブからが5歳未満の10万人当たり7.5~8.2人、肺炎球菌からが同2.6~2.9人。国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長は「両ワクチンはメリットの方が高い。同時接種でも問題ないが、不安な人は通院回数は増えるが、単独でも接種を勧める」と話している。



混合ワクチン開発遅れ 「国の調整」カギ


国内で異なるワクチンの同時接種が増える背景には、複数のワクチン成分を混ぜて1回で接種する「混合ワクチン」の開発が遅れているからだ。厚労省のワクチン産業ビジョン推進委員会は「混合ワクチン」の開発を早期に進めるべきだとの見解を3月上旬にまとめている。


国内で混合ワクチンはジフテリア、百日ぜき、破傷風を防ぐDPTワクチンなどがある。欧米ではDPTに不活化ポリオとヒブを加えた5種混合、さらにB型肝炎を加えた6種混合もすでに導入されているが、国内では開発に着手さえしていない。


注射が1回になるので痛みなどの負担が軽減するうえ、接種忘れの防止も期待されている。ワクチンの重要性を訴え続け、2月に急逝した国立病院機構三重病院の神谷斉名誉院長は「必要なワクチンの数が増えると、接種される子供も接種する医療機関も負担が大きい。混合ワクチンが絶対必要になる」と訴えていた。


だが、メーカーによってワクチンの製法や成分は異なるが、守秘義務を理由に公開されていないことが多く、複数のワクチンを単純に混ぜるだけでは混合ワクチンは開発できない。堀内善信・元国立感染症研究所室長は「メーカー任せでなく、国がどのような混合ワクチンを作るのか方針を示していく必要がある」と指摘している。
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