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「サバイバー」も入れる保険で再発や転移に備える がん保険最新事情(3)

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「サバイバー」も入れる保険で再発や転移に備える がん保険最新事情(3)

「こんなにお金がかかるのなら、がん保険に入っておけばよかった」――。がんのサバイバー(体験者)の中には、こうした思いから将来の再発や転移に備えて保険に入りたいと考える人も少なくないようです。しかし、医療保険やがん保険の多くは、1度がんにかかると加入することができず、入れるものは限られます。本連載の第3回(最終回)では、さまざまながん保険がある中で、サバイバーが入れるがん保険にはどのような特徴があるのか、調べてみました。


現在、発売されているがん保険の多くは、過去にがんにかかったことのある人や、現在入院中または入院・手術を勧められている人などは加入できないことになっている。しかし、がん治療を経験し、その経済的負担の大きさを実感したからこそ、がん保険の重要性を認識しているサバイバーも少なくないはずだ。


そんなサバイバー向けのがん保険を出しているのは、今のところ2社のみだ。


以前にかかったがんの種類を問わず入れるのが、アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)の「優しいがん保険」だ。加入できるのは、がんの治療が終わった日から10年以上経過した、満50歳から80歳までの人。ここでいう「がんの治療」とは、手術、放射線治療、薬物療法であり、治療終了後の経過観察のために受けている検査は含まれない。つまり、手術だけで治療が終わった人は、手術日から10年経過すれば加入できるわけだ。加入に際して、医師の診査は必要ない。


保障内容は、がんで入院した場合の入院給付金として1日1万円、20日以上入院した場合には退院時に在宅療養給付金が支払われ、さらに死亡保険金も付いている(表1)。がんにかかったことのない人のためのがん保険のように、がんと診断確定したら100万円といった診断給付金はないが、入院給付金の日数および在宅療養給付金の回数は無制限なので、がんで入退院を繰り返すときには安心かもしれない。


月額保険料は、男女共に50歳4016円、60歳5392円、70歳7264円。保険期間は終身で、加入すれば保険料は一生上がらないタイプの保険だ。



■乳がん限定で術後療法中でも入れるがん保険


もう1つは、乳がんのサバイバーのみを対象にしたがん保険だ。セコム損害保険の自由診療保険「MEDCOM One(メディコムワン)」で、手術後にがんの所見がなく一定の経過期間を経れば、ホルモン療法など術後療法中の人でも加入できる。経過期間は、治療した乳がんの病期によって異なり、ステージ0の人なら手術日から6カ月超、ステージIなら1年超、ステージIIで3年超、ステージIII、IVは6年超となっている。対象年齢は20歳~65歳だ。


保障内容は、診断給付金はないものの、それ以外はがんになっていない人のためのがん保険「MEDCOM(メディコム)」と同じ(詳細は第2回の「保障内容は欲張らず、保険料と診断給付金に注目」を参照)。保険診療、自由診療も含め、入院治療したときには治療費と診断書料を無制限に、通院治療も5年ごとに1000万円まで、全額保障される(表2)。


がんの摘出と同時に行われる乳房再建(一期的再建)手術も、自由診療を含め保障の対象だ。また、乳がんの再発・転移だけでなく、他のがんにかかった場合も保障される。



ただ、保険料は、がんになったことのない人の保険に比べると高額。月額保険料は加入年齢、乳がんのステージ、手術日からの経過期間によって異なり、ステージが低く経過期間が長いほど保険料は下がる。40歳を例に見てみよう(表3)。



この保険の保険期間は5年で、90歳まで自動更新できる。一般的には更新型の医療保険は年齢と共に保険料が上がるが、この保険の場合、年齢は上がるものの手術日からの経過年数が長くなるため、例えば、ステージIの人が、40歳のときに手術日から1年6カ月で加入した場合、保険料は9890円だが、更新時の45歳には6年6カ月経過したことになり保険料は月額7030円と、逆に下がるのが特徴だ。その間に万が一再発したとしても更新することができ、保険料は下がる。ただし手術後9年以降は年齢と共に保険料が上がる仕組みだ。


セコム損害保険は2004年より、乳がんについての正しい知識の普及とマンモグラフィー検査の普及を目指す「ピンクリボン運動」を支援している。「各種イベント参加者から、乳がんを経験された方の保険の選択肢が少ないと聞きました。乳がんを経験された方の役に立てればと思い、『MEDCOM One』を開発しました」。セコム損害保険営業企画推進部担当部長の大野文吾氏は、乳がんサバイバーに特化した保険を作った理由をこう話す。


「乳がんは、ほかのがんに比べると発症年齢が若く、30歳代から50歳代という働き盛りの時期に罹患(りかん)率のピークを迎えます。だからこそ、経済的な問題を気にせずに最善の治療を受けて、治って現場復帰してもらいたいのです」。


■がん保険以外にもサバイバーが入れる医療保険が登場


がん保険だけでなく、医療保険の中にも、持病がある人やがんのサバイバーなど、健康上の理由から加入できなかった人向けの「引受基準緩和型」の商品も増えている。ただ、がんのサバイバーの場合、「入院治療や手術、診察、検査から5年以上経っていること」など、治療後にある程度の期間を経ることが加入条件になっている。例えば、経過観察の検査が終わってから5年経たないと加入できない保険の場合は、経過観察期間が5年であれば、がんの手術を受けてから10年間は入れないことになる。


各保険の加入条件は、保険会社によって異なる。例えば、オリックス生命保険の医療保険「CURE Support(キュア・サポート)」は、以下の条件をすべて満たす必要がある。

・最近3カ月以内に入院、手術、検査を勧められたことがない

・過去2年以内に脳卒中、心筋梗塞、狭心症、不整脈、膠原(こうげん)病、潰瘍性大腸炎、クローン病などで入院したことがない

・過去2年以内に糖尿病で入院したり、糖尿病の合併症で診察・検査・治療・投薬を受けたりしたことがない

・過去5年以内にがん、心筋症、心肥大、先天性心臓病、弁膜症、動脈瘤(りゅう)、慢性肝炎、統合失調症、うつ病、アルコール依存症などで入院、医師の診察、治療、投薬を受けたことがない


引受基準緩和型の保障内容は一般的な医療保険と同じで、入院給付金や手術給付金を受け取ることができる。先進医療を利用した場合に、その技術料が全額保障される先進医療特約なども付けられる。ただ、一般的な医療保険は保険料支払日以降は満額の保障が受けられるのに対し、引受基準緩和型では契約日から1年以内は、給付金額が半額に削減される点には注意したい。


引受基準緩和型の保険は、一般の医療保険に比べると保険料が高い(オリックス生命保険の場合、1.1~1.6倍程度)。それでも、「持病があって入れる保険がない」「これまで医療保険には入っていなかったが、がんになって将来が不安になった」というような人は、「引受基準緩和型医療保険」をキーワードに、複数の保険会社から商品を探し、その保険料と保障内容を比べてみるとよいだろう。


■がん保険、医療保険をフル活用するには


最後に、既にがん保険に入っている人ががんになったときの保険活用法をまとめてみよう。


「まずは、治療法を決定する前に、加入しているがん保険がどういう設定になっているか確認してください。治療法に複数の選択肢がある場合には、がん保険からお金が出るかどうかも治療法を選ぶ場合の判断材料の一つになるかもしれません」。1級ファイナンシャル・プランニング技能士で家計アイデア工房社長の柳澤美由紀氏はこう話す。


例えば、自由診療までカバーするがん保険に入っている場合には、そのことを治療法が決定する前に担当医に伝え、より広い治療の選択肢を提示してもらおう。


また、医療保険や生命保険の医療特約、3大疾病保険に入っている人は、そちらの請求も忘れないようにしたいものだ。中には、生命保険にがん特約や3大疾病特約をつけている人もいる。生命保険のリビングニーズ特約に加入していれば、万が一、末期がんで余命6カ月以内と診断された場合に死亡保険金の全額または一部を受け取れる。


かなり前にかけた保険だと、どんな保障内容だったのか、特約を付けているかなど忘れている場合も少なくない。保険会社や代理店の担当者に、病名と治療内容を伝え、保険の給付対象になる事項はないか、確認してもらうとよい。


「がん」と告知されれば気が動転するのは当然。だが、せっかく「もしも」のためにかけてきた保険である。請求漏れがないように、保険金が出るものはすべて利用するようにしたい。
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